「ITが苦手」という言葉を安易に口にする風潮に警鐘を鳴らす、今回のニュースは考えさせられるものがあります。

　著者のように、ITに関して「できない」のではなく「やりたくない」という側面があるという指摘も、一理あるでしょう。
　実際、高齢者向けのスマホ教室で、タッチパネル操作に戸惑う方が多く、新しいことを学ぶことに抵抗を感じる方も少なくありません。
　操作の仕方などを詳しく説明しようにも、そもそも聞く耳を持たないという人も、一部には確かにいます。
　しかし、一概に「ITが苦手といっている人に対しての社会的配慮はもう不要！」と言って切り捨てるのは、早計といえるのではないでしょうか。

　例えば、視覚や聴覚に障害のある方、複雑な操作が難しい方など、様々な状況の方がいらっしゃいます。
　タッチパネルにしても、肌の保湿の関係か、高齢者の場合いくらタッチをしてもパネル側が反応してくれない、という状況もままあります。
　一人ひとりの状況や背景を考慮し、丁寧なサポートを提供することが大切です。
　高齢者の方々に対しては、焦らず、段階的にITに触れる機会を提供し、成功体験を積み重ねることで、自信を持ってITを利用できるよう支援することが重要ではないでしょうか。

　ITリテラシーの向上は、単にスキルを身につけるだけでなく、私たちの生活を大きく豊かにします。
　例えば、オンライン診療で遠方の病院を受診できたり、オンライン学習で新しいスキルを身につけることができたりと、可能性は無限大です。
　ITを避けている人たちに、ITにはそういった側面もあるんだという点を知ってもらい、「やりたくない」を「やってみたい」に変えられるような社会になるといいですね！